東方プロジェクト、そして東方同人音楽流通とは?

二次創作やボカロ系の音楽に詳しい方なら、東方プロジェクト(東方Project)を知らない人はいないだろう。

最近は音楽配信の形態も多岐に渡り、動画配信サイトでも著作権管理されるなど、無法地帯にはならぬように様々な制度も設立されている。

MyuPlaではこれまでも音楽の権利関係の特集を組んできたが、今回は「東方同人音楽流通」について詳しく調べてみた。

東方プロジェクト関連の音楽を管理する「東方同人音楽流通」とは?

東方同人音楽流通を解説する前に、東方プロジェクトひいては上海アリス幻樂団についても解説しなくてはならない。

東方プロジェクトとは、同人ゲーム・音楽制作サークル「上海アリス幻樂団」が手がける作品全般を指す。

元々はZUN(ずん)こと太田順也氏が、20年以上前の東京電機大学在学中に手がけたゲームが発端となる。
初期作であるブロック崩しゲーム「東方靈異伝」、シューティングゲーム「東方封魔録」「東方夢時空」など東方シリーズを次々に展開していった。
その後、一旦は活動休止するが、近年になってそのキャラクターや世界観、また二次創作を広く受け入れたことなどから、人気は急上昇。
ゲームだけでなく書籍や音楽出版物となって、徐々にカルト的な存在へと飛躍していく。
そんな中、東方プロジェクトは音楽作品においてのみ、大きく著作権の管理を展開していくことになるのである。

それが「東方同人音楽流通」というわけだ

Image Credit:東方同人音楽流通

東方プロジェクトの音楽(アレンジした二次創作を含む)は、これまで同人即売会や同人ショップでプレスCDとして配布や販売が行われてきた。

本来ならば、音楽の二次利用は著作権が発生するはず。
だが上海アリス幻樂団・黄昏フロンティア始め、東方関連のサークルはJASRAC等の著作権管理団体に信託していないという。

そのため、独自に設立されたのが東方同人音楽流通である。
役割としてはJASRACなどと同様、著作物の権利を管理する。

また東方プロジェクトは、CD制作&リリースの延長線上として、スマホで手軽に入手可能な「iTunes」「GooglePlayMusic」での配信リリースを実施することに決定。
公式サイトによると、2020年現在ではサブスクリプション(定額の聴き放題プラン・サービス等)には対応せず、慎重に検討していくという。

加えて、pixivが連携するクリエイティブマーケット「BOOTH(ブース)」でも販売が可能となっている。
(販売場所は「東方同人音楽流通 BOOTH店」のみ。)

ファイル形式はmp3 wav flac aacでのダウンロード販売となり、購入するとファイルが入手できる仕組みだ。

また制作者の利益分配に関しては「iTunes」「GooglePlayMusic」では販売価格の50%、「BOOTH」では85%を還元するという。
(別途手数料が数%発生)

これまではほぼ二次創作で好き放題に使えた東方プロジェクトの著作物だが、音楽に関しては元々権利関係がしっかりした業界だけに、東方側も一つの手を打つしかなかったと思われる。

元々JASRACとどこかしらが揉める話は多いだけに、管理システムは必須だろう。
また動画配信サイトの乱立も理由で、巷ではすでに音楽関連の二次創作に対して「東方同人音楽流通」から申し立てや提案諸々あったという話も少なくない。

今後、東方プロジェクト関連の音楽利用は慎重にならなくてはならないが、一方でクリエイター志望の若者にも、一つの大きな岐路が作られたといっても過言ではないだろう。

 

関連サイト

東方同人音楽流通公式サイト
https://touhou-music.jp/


 

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