”初音ミク”誕生から15年【ボーカロイドの歴史と進化】

【最終記事更新2022年12月23日】

”ボーカロイド”と聞いて「何それ」と返す人も少なくなった。
”初音ミク”の名を聞いたこともないという人はもういないだろう。

(ボーカロイドの代表格である”初音ミク”誕生から10周年を迎えた今年は2017年 15周年を迎えた今年は2022年。
ボーカロイドは日々進化を続け、この文章もあっという間に『過去のもの』になってしまうことをお許しいただきたい。)

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2004年:ボーカロイド初登場

“ボーカロイド”の開発開始は2000年までさかのぼる。
ヤマハ社を始めとするいくつもの音響・音楽メーカーの協力によって始めた『DAISYプロジェクト』を発端とする。
当時はリードボーカルとしての起用までは考えておらず、あくまで「歌手のバックコーラスとして活用できないか」と考えられていたという。

2004年、ロサンゼルスで開催された楽器展示会”NAMMショー”にて、ボーカロイド『LEON』『LOLA』が発売。
間もなく日本国内でも同製品は発売された。
『LEON』『LORA』はその名の通り、男声と女声をそれぞれサンプリングして作られたもので、『ボーカロイドのアダムとイヴ』と称される。

男性シンガーソフトウェア・レオン(LEON)※現在は廃盤

女性シンガーソフトウェア・ローラ(LOLA)※現在は廃盤

同年、初の日本語版ボーカロイド『MEIKO』がヤマハにより開発、クリプトン・フューチャー・メディア社により発売。
名前の由来は当時ヤマハミュージックに所属していたシンガーソングライター『拝郷メイコ』からとられた(音声サンプリングも担当)。
MEIKOは2000年代後半にも何度か流行った時期があり、2014年には最新モデル”MEIKO V3″まで登場している。

本格派バーチャルシンガーソフトウェア・MEIKO V3

MEIKO初登場から翌々年の2006年には、男声をサンプリングしたボーカロイド『KAITO』発売へと続く。
KAITOも2013年にV3モデルまで進化を遂げ、当初はそれほど期待されていなかった男声ボーカロイドの可能性を大きく広げた。

日本語&英語男性ボーカルソフトウェア・KAITO V3

2007年:ボーカロイド「初音ミク」登場

この時期、売上本数などのデータから「ボーカロイドの主流は女声」という認識が生まれている。
理由は、音楽制作に携わる人に男性が圧倒的に多いため、女性ボーカルでの楽曲制作を好む場合が多いからともいわれる。
実際にボーカロイド製品はそれ以後、男声女声比率が大きく偏ることとなった。

振り返れば、一般発売したとはいえ『それ』までの経歴はあくまで開発途中、試験的な活動といわざるをえない。

ボーカロイドの歴史は2007年1月、新章を迎える。

ヤマハはそれまでの音源エンジン『VOCALOID』(通称V1)の後継機となる『VOCAROID2』を発表。
よりリアルなボーカルの再現を可能とした。

同年8月、「ボーカロイド=」と言っても良い存在『初音ミク』がシーンに登場する。

HATSUNE MIKU V4X

『初音ミク』は、それまでの「機械的」「業務用」のイメージを一新したアニメキャラクターモチーフのデザインに、最新型の音源エンジンでの初製品(日本語版)ともあり、爆発的にヒットした。
(まだ世間から抵抗されていたいわゆる”萌え”を意識したキャラクター製品とあり、一部では毛嫌いもされた。)

『初音ミク』発売から間もなく、同じく『VOCALOID2』製品となる男声音源『鏡音リン・レン』が発売され、こちらもヒットを記録。
男声音源でも女声ほどとはいかないにしろ売上が見込めるとし、ボーカロイドのキャラクターイメージはここで確立されたといえる。

鏡音リン・レン V4X

同時期、インターネット普及率が爆発的に伸びていたこともあり、メディア上で『初音ミク』は数々取り上げられ、ヤマハ始め関連企業による宣伝以上に“ネットユーザーによる書き込みや口コミ”だけでもその知名度は広まっていく。

それらは同じくユーザー数を増やしていた動画投稿サイトなどでも同様で、特に、当時急激にユーザー数を増やしていた動画投稿サイト”ニコニコ動画”内にて、初音ミクに自作曲や既存の楽曲を歌わせる動画は大流行した。
ムーブメントはそれ以後、現在までも続く。

初音ミク以後の次代

その後もボーカロイド製品は進化し続け、ヤマハ、クリプトン・フューチャー・メディア以外の各社からもオリジナル製品はいくつも発売された。
歌手”ガクト”の歌声をモチーフとした『がくっぽいど』”SEKAI NO OWARI”のボーカルである深瀬慧の声をもとに製作された『FUKASE』、アイドルグループ”でんぱ組inc”の夢眠ねむをモチーフとした『夢眠ネム』『兎眠りおん』など多くのプロボーカリストモデルの製品も発売。
ヤマハからは初音ミクに続く後継機種『巡音ルカ』も発売され、ミクに負けず劣らず人気を博した。

音源エンジン『VOCALOID』も現在では4まで発売され、ブレス(息継ぎ)やビブラートは容易くこなし、歌声の細かいニュアンスまで作り込めるようになった。
生身の歌手の歌声とは別次元に位置するジャンルだが、レコーディングサンプリング技術の向上とともに、ボーカロイドは近年、より目覚ましい発展を遂げた。

何より日本が世界に誇るアニメ文化とも並行してきたことは歴史的だ。
今や存在を知らない人はいないボーカロイドの発展は“バックコーラス用のサンプリング音源”から始まり、アニメキャラクターをモチーフとした“文化”に変わったことで、アマチュア音楽制作を世に広め、現在へと続くツールとなったのである。

2022.12追記 初音ミク15周年の節目

2022年、初音ミクは15歳のバースデーを迎えた。

初音ミクを中心としたボーカロイドや3DCGシンガーたちの一大イベント”マジカルミライ“も2013年から継続され、全国の会場で大盛況をみせている。

2020年には、新型コロナウイルス感染症対策に取り組む日本政府のコロナ対策サポーターに初音ミクが就任。
翌年には、イギリスの公共放送BBCの東京オリンピックテーマ「Tokyo 2020 Olympics」に参加。
社会的な活動も目立つようになり、当初のイメージだったオタク文化のアイコンではなく、今では日本経済とエンタメ業界を支えるポップなキャラクターにまでなったのである。

また2022年8月には、初音ミク15周年とマジカルミライ10周年を同時に迎え、「マジカルミライ10th Anniversary」を大々的に開催。

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→関連記事【初音ミク マジカルミライ特集】クリプトン・フューチャー・メディア製ボーカロイドの祭典

製品版としては、2016年にリリースされた”初音ミクV4X”に続き、2020年に”初音ミクNT”(ニュータイプ)が登場するなど、ボカロとしての進化も変わらず続いている。

初音ミク NT / BOX

ボーカロイド人気と並行するように、今ではネット配信を主にした”歌い手”が流行っているが、初音ミクを始めとしたボカロもまたキャラクターとして画面の中から飛び出し、幅広い活動を続けていることを鑑みると、2004年にあったレオンとローラの初登場の場面がいかに大きな歴史の静かな始まりだったのかうかがえるようだ。

また今こうして綴る出来事もいずれ過去となり、初音ミクは成人も迎え、颯爽と進んでいくのだろう。
今この節目に、初音ミクが歩んだ15年間の軌跡を感じ取ってみてほしい。

関連サイト

CRYPTON FUTURE MEDIA, INC
http://www.crypton.co.jp/
初音ミク公式Twitter
https://twitter.com/cfm_miku
初音ミク公式Instagram
https://www.instagram.com/cfm_miku_official/
初音ミク公式TikTok
https://www.tiktok.com/@hatsunemiku0831
初音ミク公式YouTube
https://www.youtube.com/user/HatsuneMiku
初音ミク公式ニコニコチャンネル
https://ch.nicovideo.jp/ch253


 

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