雨と人の歓声は似ているなと思う。
2016年12月7日発売の、塩ノ谷早耶香のニューシングル『魔法』のMVは、雨の音に始まり、終わる。
彼女の進化を続ける歌声に喝采が起こるように。
国民的人気グループ『EXILE』を要するプロダクション『LDH』のアーティストとして、着実にキャリアを重ねてきた。
環境は盤石だし、才能は申し分ない。
誰もが本音では、もっともっと売れていい、化けていいと思っているはずだ。
この曲が転機になるかもしれない。
『魔法』のサビはまさに魔法で、一度聴いたらどうも口ずさんでしまう。
アレンジはピアノとパーカッションを中心として、余計な音がない。
出だしなど、音が鳴っているのか、歌っているのかと、耳を澄ませてしまうほど静かに始まるのだ。
言い換えれば、彼女の歌にそれだけ比重をかけているということになる。
比重とはつまり”期待”である。
彼女の苦しそうな歌い方にもその効力があるのだろう。力を抜いてつむじから出すというような”お手本”ではなく、喉から振り絞り出すような歌声こそが、聴く人の心に響いていくものなのだとわかる。
彼女自身が憧れと表する歌姫『伊藤由奈』に、また一歩近づいたか。
デビュー当初から、それこそ最近までは、歌い方がもっとシンプルだった。
まっすぐ届けることが、必ずしもまっすぐ歌うことではないと気づかされる。
何しろ、有名な歌手というのはたいてい変わった歌い方をするのだから。
MV内では、雨に打たれる姿と、ドレスをまとう姿が見られる。
大人びた声の割に意外と幼いルックスにもぜひ注目してほしい。
■魔法<初回限定盤TYPE-B> Single
DISC.1
1. 魔法
2. YOU
3. YOU (Instrumental)
関連リンク
塩ノ谷早耶香オフィシャルサイト
http://www.shionoya-sayaka.jp/
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