昭和歌謡を愛し、古き良き音楽を今に継承するシンガーソングライター”マキタマシロ”が、12月20日に待望のデビューを飾る。
レコード盤と同時リリースとなる今作『東京カラフル』が皆に伝えるメッセージは、単なるレトロ回帰だけではない。
懐かしく、そして新しいアーティストとして、この度シーンに降り立ったのである。
マキシロのルーツ
マキシロこと“マキタマシロ”は、昭和歌謡とジャズへの愛を語っている。
彼女自身のプロフィールは現在、ほぼ謎に包まれており、突如現れたシンガーソングライターということで良いのだろうか。
ライブ活動は以前より行っていて、ライブハウスシーンに強い人なら姿を目にしたことがあるかもしれない。
スタイルは、「真昼も真夜中に変える」といわれるほど妖艶で色気に満ちている。
若者向けのライブハウスだけでなく、バー形式のステージでのパフォーマンスも行っているので、興味のそそられた方はぜひ、夜の街へ繰り出してほしい。
ネオンに照らされる彼女の姿に、目が離せなくなるだろう。
『東京カラフル』と『たまらないわ』
『東京カラフル』は、所属レーベルと、また本人による公式Youtubeチャンネルにて、スポット動画が公開されている。
単なるレトロ系と思って聴いたらかなり裏切られてしまうだろう。
裏打ちビートのハイテンポで、アルコールを口にしながらじっくりと聴くような感じとは少し違い、シングルナンバーらしい仕上り。
カップリングで収録されている『たまらないわ』もテンポの速いナンバーで、サビのキャッチーなメロディーが耳に残る。
マキシロの見た目とギャップのある力強い歌声にも注目で、アップなナンバーでもガンガン歌いこなしそうな実力派シンガーのようだ。
例えるなら、往年の”尾崎紀世彦”や”和田アキ子”のような感じか。
デビュー作にバラードを持ってくるアーティストは少ないというから、今作を爆発的なスタートサインとして、今後の作品も楽しみになる一枚だ。
レコードで出版するということ
世の中がどんどん便利になってゆく中、同時に古き良きものを大事にしようという流行もまた存在している。
建築物、デザイン、田舎暮らしなど、時間に追われ時間を増やそうとする都会とテクノロジーの世界から距離を置きたいと思う人は少なくないようなのである。
そんな中、音楽業界でもレトロ回帰ブームは間違いなくある。
ポップスの世界だと”椎名林檎”がかなり大きなうねりで持って、リスナー達に昭和の魅力を教えてくれたことは記憶に新しい。
そして、”マキタマシロ”がデビュー作でレコードと同時出版という試みだ。
レコードでというのは、実は単に懐かしさを楽しむものではない。
アナログレコードはそもそも、CDやデジタル音源に比べて音の周波数の幅が狭い。
超高音や超低音のノイズがないことで、人の耳に心地好い周波数だけが鳴っているのが、アナログレコードつまりアナログサウンドと呼ばれるものなのである。
昭和生まれの方にはまだレコードやカセットの音質を懐かしむ人も多いだろうし、若い人にもアナログの暖かみは知っておいてほしい。
そんな試みと願いが、今作のリリース形態には込められているのだろう。
“マキシロ”を古臭いと思うか、懐かしいと思うか、はたまた新時代のアーティストと評するかは、リスナーの手に委ねられた。
平成も終わりを迎えようとしている。
新たな時代はもしかしたら、ぐるりと回って辿り着いた、懐かしい”あの頃”なのかもしれない。
■東京カラフル Maxi Single
DISC.1
1.東京カラフル
2.たまらないわ