【コラム】「ライブアイドル」という時代のポジティヴ

近年、アイドルの在り方が変わってきている。
…という導入はそれらしいが、実はそうではないと思う。
「ライブアイドル」というコトバが最近になってようやく聴かれるようになり、CDセールス不遇の時代などと言われ、ネガティブなイメージで思われがちだが、果たしてそうだろうか。
シーンの変形、流行を変える(作り出す)には、中々に大きなエネルギーが必要とされる。
ライブアイドルはどこに向かい、どこに落ち着くのか、また先日アイドルを取り巻くとても悲しい出来事も報道された中で、ここで一つ、アイドルとは何ぞやと考えをまとめて(ぶちまけて)みたい。

昭和と平成にあったアイドルブーム

日本におけるアイドルの流行期は二度あり、一度目はテレビ番組「夕やけニャンニャン」前後にある昭和のアイドルブーム。
そして二度目が1990年代後半頃より増え始めたダンスユニット、その低年齢化に伴う平成のアイドルブームである。
前者の中心にあったのはもちろん「おニャン子クラブ」だが、ソロアイドル(後にシンガー)として松田聖子中森明菜などがいた。
ソロとなると女優になったり歌手と呼ばれるようになったり、アイドルであるかという区分けは曖昧になる。
平成のそのブームの中心、火付け役となったのがド派手なルックスと風変わりな楽曲で人気を博したシャ乱Qのボーカル「つんく」(つんく♂さん)がプロデュースし、今なお続く「モーニング娘。」である。
モー娘。がいかにもアイドルという立ち位置でブームを作った感があるが、先日引退した安室奈美恵MAXSPEEDなどもいわばアイドルに近かったといわれる。
またここで、平成のアイドルブームと言ってまるで懐かしむようであるが、実はそれは今も続いている。(若干の凹みはあったかもしれない)
AKB48が結成されたのは2005年、それまで続いていたブームに乗るような形で、誕生していたのだ。

ちなみに、昭和最大のアイドルグループでもある「おニャン子クラブ」を作り出したといわれるのは、秋元康氏である、平成生まれでは意外と知らない子も多いかもしれないが、ようするに日本の二度のアイドルブームは秋元氏によって作られているといって差し支えない。

夢カタログ+シングルコレクション

出典:https://www.amazon.co.jp/

アイドルなんて数人しかいない説

アーティストが名を馳せる、デビューを果たすには大きく二つの道があり、
1.大小各種あるオーディションを勝ち上がる。
2.自らステージを催し、スカウトされる。
となるが、後者はほぼ全てがバンドあるいはシンガー(ソングライター)に限られる。

そもそも、アイドルというのはそれほど存在していなかった。
アイドルのほとんどがオーディションで大手プロダクションによって選ばれた「金の卵」ばかりで、グループとなっても一人一人がスターとされていた。
現在、日本に数万人、もしかすると十万人規模で存在するかもしれないアイドルが全員スターであったら、もうしっちゃかめっちゃかでよくわからなくなる。(とりわけ先日、某作家が「日本には奉られる人間が増え過ぎている」と苦言)
だから、バンドやシンガーソングライターやストリートミュージシャンのように、ライブで有名になるぞと息巻くアイドルがそもそもブームの時以外はほぼいなかったのである。
かといって今、白石麻衣平手友梨奈以外はアイドルでもスターでもないかというと、そうでもない。
現在で20年続く平成のアイドルブームは今、どういう状態になっているのだろうか。

ライブアイドルという道(※金額は計算しません)

ライブアイドルとはその名の通り、バンドアーティストのようにライブを主戦場とするアイドル達のことである。
CDは作ってもどのみち売れない、トントンにするのも無理ゲー、という心の声は確かにここまで聴こえている…。
だがそれは流通を目的としてプレスするための費用が云々かかるからであって、いわゆる「会場限定盤」「配信リリース」であればそれほどでもなく、ライブアイドルにも音源は数多く存在している。
またライブを行う度のチケット、グッズ、これまたいつの間にか主流となったチェキなどあり、CDリリースからのツアーとテレビに出て宣伝しまーすといったスタイルの昔とは全然違う現状なのである。

昔ながらのアイドル…CDセールス、ライブチケット、グッズ、メディア露出等。
ライブアイドル…ライブチケット、グッズ、チェキ、SNSメディア活動、主催イベント、オフ会他多岐に渡る。

こう記述すると上の方がずいぶん華やかで楽そうに見えるが、どのみち現在CDセールスも印税などもどうなっているものかわからない。
活動再開するレジェンド達が多いことから、何かしら察することは出来るのではないだろうか。

海外へ向かうトップアイドル、日本を支えるライブアイドル

実のところ、昭和のブームの終わりにも、テレビなどのメディア、またリリースなどにも恵まれなかったアイドル(悪く言うと残ったコたち)がツアーばかりで成り立っていた事例がある。
名前を挙げてもアレなので、今回はアレにしておくが…、ブームの陰に苦渋をなめる人がいたように、アイドルブームの終息の陰やその後にも、信じてまだ突き進むアイドルは確かにいた。

こんなことをいうとアイドルがオワコンだと言っているようにもなるが、供給過多であることは間違いない、特に東京。
また若ければ若いほどアイドルらしいという現実もある。
今年はまた多くのトップアイドル達が卒業を発表してきた、人数は数え切れないほどにまでなった。
それに、トップにあるAKB48は総選挙も終了し、海外向けのユニットや仕掛けに続々と着手し始めている。
するとまた前向きなようで、別のアイドルへの人気が高まる傾向もあるのではないだろうか、まさかファンだからといって海外移住まで共にする人はそういないだろう…。

それでもアイドルを夢見る彼女達

きっとこれからもまだまだ、アイドルの卒業、引退の報道は後を絶たないだろう、少しばかり増え過ぎたところがある。
ブームは少し縮小する、アイドル自体も減る、だけど、消えていなくなることは今後も絶対ないと言い切れる。
大手の時流がどうなるか、地上波から音楽番組が消えるか、メディアが減るか、実はそれら、ライブアイドルにとって大きな問題ではない、むしろ良い話題ともいえやしないだろうか。
(先ほど少し触れた印税云々やセールス云々と同じ、実際のところそこまでバブリーですか?ときかれて、もちろん!と言えるかという話。)

また、どうしてAKBがアイドルブームを再加熱させられたかというと、それは「会いに行けるアイドル」だったからに他ならない。
その時にもっと人気のあった他のアイドルよりも、会いに行けたから、皆こぞって足を運んで、チェキも撮って、CDも買った。
サイリウムも振ったり、汗だくになって一緒に踊ったのである。
今でこそ規模が大きくなり、当初のフレーズとは矛盾した部分もあるが、彼女達もまた小さな街のライブアイドルだった経緯がある。

ライブアイドルの主戦場はステージ、相手は足を運ぶファン達だ、それは今も変わっていない。
地方に行けば元気にステージに立つアイドルがいて、その地をPRしている、街の平和を守っているのである。
ライブアイドル、ローカルアイドルも然り、こんな時代だからこそ、人(ファン)との交流を特に大事にする彼女達の存在は、生活に欠かすことは出来ないのではないだろうか。

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