”初音ミク”誕生から10年、ボーカロイドの歴史と進化

出典:https://www.vocaloid.com

”ボーカロイド”と聞いて「何それ」と返す人も少なくなった。
”初音ミク”の名を聞いたこともないという人はもういないだろう。
(ボーカロイドの代表格である”初音ミク”誕生から10周年を迎えた今年は2017年。そして、ボーカロイドは日々進化を続け、この文章もあっという間に『過去のもの』になってしまうことをお許しいただきたい。)

“ボーカロイド”の開発開始は、2000年。
ヤマハ社を始めとするいくつもの音響、音楽メーカーの協力によって始められた『DAISYプロジェクト』を発端とする。
当時はまだリードボーカルとしての起用までは考えていなく、あくまで歌手のバックコーラスとして活用出来ないかと考えられていたといわれている。

2004年、ロサンゼルスで開催された楽器展示会”NAMMショー”にて、ボーカロイド『LEON』『LOLA』が発売された。
その後間もなく、日本国内でも同製品は発売された。
『LEON』『LORA』はその名の通り、男声と女声をそれぞれサンプリングし、作られたものであり、『ボーカロイドのアダムとイヴ』と称されている。
そして、同年初の日本語版ボーカロイド『MEIKO』がヤマハにより開発、クリプトン・フューチャー・メディア社により発売された。
名前の由来は、当時ヤマハミュージックに所属していたシンガーソングライター『拝郷メイコ』からとられた。(音声サンプリングも担当。)
その翌々年の2006年には男声をサンプリングしたボーカロイド『KAITO』も発売された。

ここで、売上本数などのデータから、ボーカロイドの主流は女声だという認識が生まれた。
理由は、音楽制作に携わる人に男性が圧倒的に多いため、やはり女性ボーカルで楽曲を作ることを好まれることが多いからだともいわれている。
実際にボーカロイド製品はそれ以後、男声女声比率が大きく偏ることとなった。

振り返れば、一般発売していたとはいえ、『それ』までの経歴はあくまで開発途中、試験的な活動であったといわざるをえない。
ボーカロイドの歴史は2007年、新章を迎えるのである。
2007年1月。
ヤマハはそれまでの音源エンジン『VOCALOID』(通称V1)の後継機となる『VOCAROID2』を発表。
よりリアルなボーカルの再現を可能とした。
そして、同年8月。
『初音ミク』を発売。
それまでの機械的、業務用というイメージを一新したアニメキャラクターモチーフのデザインに、最新型の音源エンジンでの初製品(日本語版)ということもあり、爆発的にヒットした。(一部では、まだまだ世間から抵抗されていたいわゆる”萌え”を意識したキャラクター製品は毛嫌いもされていた。)
『初音ミク』発売から間もなく、同じく『VOCALOID2』製品となる男声音源『鏡音リン・レン』が発売され、こちらもヒットを記録。
男声音源でも女声ほどとはいかないにしろ売上が見込めるとして、ボーカロイドのキャラクターイメージはここで確立されたといえる。

ちょうど同時期、インターネット普及率が爆発的に伸びていたこともあり、メディア上で『初音ミク』は数々取り上げられ、ヤマハ始め関連企業による宣伝以上に、ネットユーザーによる書き込みや口コミだけでもその知名度は広まっていく。
それらは同じくユーザー数を増やしていた動画投稿サイトなどでも同様で、特に、当時急激にユーザー数を増やしていた動画投稿サイト”ニコニコ動画”内にて、初音ミクに自作曲や既存の楽曲を歌わせた動画は大流行した。
ムーブメントはそれ以後現在までも続いている。

その後もボーカロイド製品は進化し続け、ヤマハ、クリプトン・フューチャー・メディア以外の各社からもオリジナル製品はいくつも発売された。
歌手”ガクト”の歌声をモチーフとした『がくっぽいど』、”SEKAI NO OWARI”のボーカルである深瀬慧の声をもとに製作された『FUKASE』、アイドルグループ”でんぱ組inc”の夢眠ねむをモチーフとした『夢眠ネム』、『兎眠りおん』など、多くのプロボーカリストモデルの製品も発売されている。
ヤマハからは初音ミクに続く後継機種『巡音ルカ』も発売されており、ミクに負けず劣らず人気を博している。
そして、音源エンジンである『VOCALOID』も現在では4まで発売されており、ブレス(息継ぎ)やビブラートなどはもちろん、歌声の細かいニュアンスまで作り込めるようになってきた。
もちろん、生身の歌手の歌声とは別次元に位置するジャンルであるだろうが、レコーディングサンプリング技術の向上とともに、ボーカロイドは近年、より目覚ましい発展を遂げてきた。
そして、何より日本が世界に誇るアニメ文化とも並行してきたことは歴史的である。
今や存在を知らない人はいないボーカロイドの発展は、バックコーラス用のサンプリング音源から始まり、アニメキャラクターをモチーフとした文化に変わったことで、いわゆるアマチュア音楽制作を世に広め、そして、現在へと続くツールとなったのである。

関連サイト

CRYPTON FUTURE MEDIA, INC
http://www.crypton.co.jp/


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ヤマグチ

ヤマグチ

音楽と文学を愛する人。小説なら東野圭吾、バンドはLUNASEAが青春でした。売れないバンドマン時代もあり、今もバレないように生きています。

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