今の時代、SNSでの動画や画像配信に音楽は欠かせないものとなっている。
今回の記事では、ショートムービーを配信する人気のSNS・TikTok(ティックトック)で音楽を使用する際の注意点についてまとめてみた。
これからティックトッカーとして人気を得たい方も、趣味で楽しみたい方も参考にしてほしい。
※情報はリサーチ時点でのものなので、運営によって変更されている場合があります。ご注意ください。
TikTokとは
TikTokは2016年(日本では2017年)にリリースされたSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の1つ。
Twitter・Instagram・Facebook・LINE・YouTubeなどと同様にコミュニケーションと発信が可能となるサービスだ。
TikTokは基本的にショート動画をアップする場所で、短いもので15秒、長くても3分となっている。
世界的にもダンスの動画が主流で、TikTokから火がつくダンスや楽曲も多い。
参考(https://newsroom.tiktok.com/ja-jp/tiktok-music-2022-tiktok-trend)
TikTokはJASRACと提携している
TikTokは2018年夏に、日本における大半の楽曲の版権を管理するJASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)と提携したので、以降はTikTok内で日本の楽曲も問題なく使用できるようになっている。
参考(https://www.jasrac.or.jp/smt/news/20/ugc.html)
大まかな仕組みとしては、
・TikTok内で音楽が使われる
→利益が発生する
→著作権者に分配される
こんな感じで思っておいて問題ないだろう。
(パーセンテージなどは今回の話題に無関係なので記載しません。)
厳密には、JASRACが提携していても特定のレコード会社やアーティストが許可をしなければその楽曲は使えない。
TikTokでは動画をアップロードする際、使用する楽曲はリストアップされている中から選ぶようになっているので、一般ユーザーが普通に動画をアップロードしている限りで著作権侵害のリスクはほぼないと見て良いだろう。
ちなみにNexToneとも提携している。
TikTokで楽曲を使う際の注意
TikTokがJASRACと提携しているからといって、楽曲を好き放題に利用して良いわけではないことをぜひ理解していただきたい。
ここからは3つの注意点をまとめたので、クリエイターを目指す方も特定のアーティストをサポートしていきたい方も知識として参考にしてほしい。
すべてのクリエイターは、著作権についての正しい知識を持たなければなりません。それは、誰かの権利を守るだけでなく、自分の身を守ることであり、自分の大切なコンテンツを守ることでもあるのです。
悪意のある配信はそもそもNG
これは大前提。
昨今はネットリテラシーについて問題視される事例がやたらと多いが、何にしてもルールよりモラルの方が大切だということを理解しなければ話にならない。
例えばTikTok内で特定の楽曲をBGMとして使い、悪意のある動画(店舗や他者に迷惑をかける内容)をアップした場合、その楽曲のイメージを損なったとなれば、それは当然違法となる。
動画やアカウントの影響力(再生数やフォロワー数など)にもよるが、もし著しい影響があるとすれば名誉毀損なども全然有り得るというわけだ。
CD音源やカラオケ音源を使うのもNGの可能性有り
TikTokでは、動画制作画面で楽曲を選択せず、動画に任意の楽曲や音声を重ねることは可能となっている。
この場合、購入したCDや音源を使用できるとなるが、実はそれも違法となる可能性は高いと覚えておこう。
そもそもTikTok内での楽曲リストは、著作権者に利益を分配する際のカウントの役目も果たしているという。
仮にその楽曲が利用可能であったとしても、そのリストから選ばずに別の入れ方をしてしまうと、著作権侵害となる可能性はあるのだ。
ちなみにこれはカラオケ音源でも同じで、いわゆる「歌ってみた」の場合、手がける人にも寄るが(※)、音源に対する著作権はほぼ発生していると見て良いだろう。
※有名なクリエイターやインフルエンサーによる歌ってみた動画の場合、それ自体が宣伝とされている場合もあるので、その表記や仕方を真似るのは厳禁。
オリジナル音源について
TikTokやInstagramでも、最近は「オリジナル音源」なるものがある。
これはユーザーやクリエイターが自ら作って登録しているもので、その人の声や物音の場合もあるが、楽曲ももちろんある。
オリジナル音源として登録できている時点でそれなりの条件はクリアしているのだろうが、後々になって著作権侵害のものだとされる場合はあり、当然削除の対象となる。
その音源を二次利用した動画に関しても音声が消される(あるいは動画ごと削除される)場合も往々にしてあるだろう。
オリジナル音源サービスに関しては著作権など曖昧になっているイメージなので、もし安心安全な発信を心がけたいなら公式の楽曲のみを使うようにしよう。
自分で作った楽曲やフリー音源は問題無し
オリジナル音源と違い、オリジナルの楽曲であれば著作権を持つのは自分なので、どのように扱おうが自由だ。
またネット上にはフリー音源も数々あるので、それもまた同様。
ただしフリー音源といっても著作権が存在しないわけではなく、悪意のある投稿やそういった人間に使われることを良しとしていないクリエイターは多いので、モラルは遵守しなくてはならない。
利用の際は、一応でも概要欄やプロフィール欄などで規約をチェックしておこう。
まとめ
TikTokは正式リリースからすでに7年以上経過し、アメリカとだけは問題を抱えつつあるが、日本ではまだまだTikTokを足がかりにするクリエイターやアーティストは数多い。
こと日本においてはJASRAC他著作権保持の団体とも提携しているので、アプリ内の音楽利用は版権上も問題なく、注意したいのは「オリジナル音源」やその他のCDやカラオケなどの音源だけだとわかる。
するとTikTokにおいて「歌ってみた」よりも「踊ってみた」の方がはるかに流行っているのにも頷けるが…決して使ってはいけないものではないので、ぜひ公式リリースされている楽曲を使って豊かな発信を楽しんでもらいたいと思う。