“TRIPLANE”(トライプレイン)はどうして北海道を選んだのか

『モノローグ』、『白い花』、『アイコトバ』などのヒット曲を持ち、大手レコードプロダクションである”avex”(エイベックス)に所属していたバンド”TRIPLANE”(トライプレイン)。
「美メロロック」と呼ばれた彼らのサウンドは、シンプルで聴きやすく、多くの人の耳に心地好く響いた。
そんな”TRIPLANE”が、デビューから13年経ったある日、独立を発表した。
メンバー全員の故郷である北海道での再出発、それぞれの音楽への想い。
東京を拠点とし、メジャーの世界で活動することがアーティスト達の夢とされる時代で、なぜ彼ら4人は独立という道を選び、故郷・北海道を選んだのだろうか。

2000年代のロックヒーロー

バンドブームには一定の浮き沈みがある。
2000年代後半頃からギターボーカルバンドが徐々に脚光を浴び始めたのには、”bump of chicken”や”レミオロメン”などの活躍が大きく影響しているといえるだろう。
また、彼らのリスペクトが1990年代に大きなブームを巻き起こした”Mr.Children”や”スピッツ”であることは明白だ。
ボーカルがギターを弾きながら歌い、作詞作曲をこなし、時に激しく、時に温かく音楽を奏でるスタイルは、世のリスナーやバンドマン達を魅了するもの。
“TRIPLANE”もまた、2000年代にスタートした世代、そしてバンドのフロントマンであり、ギターボーカルを務める”江畑兵衛”(えばたひょうえ)もまた、時代が作ったロックヒーローの一人だった。

トライプレイン

“TRIPLANE”は、4人組のロックバンドである。
ボーカルとギターを務めるのは、”江畑兵衛”。
ほとんどの楽曲の作詞作曲を行っており、”TRIPLANE”の作品は江畑自身のメッセージと思っても良いだろう。
リードギタリストは、ケインこと”川村健司”。
デビュー後に加入したメンバーであり、他の3人より二歳ほど年上である。
ベーシストは、元自衛官という経歴を持つ”武田和也”。
またバンドのグッズ製作も担っている。
ドラマーであり、バンドリーダーを務める”広田周”(ひろたまこと、通称”タン”)は、金髪がトレードマークの、頼れるアニキ的存在。
趣味は料理で、ドラマーならではのたくましい腕で繰り広げる調理の様子は一見の価値ありだ。

Image Credit : https://www.triplane.jp/

モノローグ

“TRIPLANE”を語るにあたり、「懐かしい」という感想を言われたことがある。
個人的にはずっと応援し、追いかけていただけに、正直その感想には驚いた。
そんな懐かしまれた楽曲とはきっと、『モノローグ』のことだろう。
彼らにとって最も有名な作品だ。
他にもタイアップのあった楽曲は多くあるが、『モノローグ』こそ聴く人の心を打つナンバーで間違いない。
バンドの作品の中でも特に丁寧に紡がれたメロディーは、多彩さを増してゆく昨今の楽曲達とは別次元の世界で、往年の”DEEN”や”スピッツ”を思い起こさせ、ある種の時代回帰さえ感じさせたものだった。
バンドは『モノローグ』のヒット後、以前から作り温めていたバラード『白い花』や、CMにも起用された『アイコトバ』などを続けてリリースし、当時また増え始めていたギターボーカルロックバンド達の一つとして名を連ねたのだった。

東京

2008年に行われた、恵比寿リキッドルームでのワンマンライブ。
筆者はひとりの客として見に行った。
バンドでの成功を目指す少年の頃だ。
アルバム『ココロ晴れたら』をリリースし、ブレイクの予感をひしひしと感じさせていた、いわば最高にノッている”TRIPLANE”を見るため、キャパ目一杯のファンで会場は埋め尽くされた。
アルバムでの楽曲を中心にライブは行われ、当時はまだシングル化されていなかった『白い花』のエピソードを語り、酔っ払っておねしょをしてしまったエピソードからすかさず『I am』のイントロが始まったりと、ライブは安定感と安心感に満ちていた。
『モノローグ』もまた、とても大切な曲なのだと江畑が語ったことをよく覚えている。

そしてステージでのMC中、江畑はこう語った。
記憶の限りなので引用にはならないことをお許しいただきたい。
「僕らは北海道で育ち、北海道が大好きです。だけどこうして東京でバンドをやっていて思うことがある…」

東京も、いいところですね。

その言葉に、会場のファンはそれほど熱い反応を示さなかった。

独立、北海道へ

彼らの心の中から、北海道の風景が消えることは片時もなかったのだろう。
バンドは、というより江畑が特に音楽関係のメディアやインタビューなどでよく言っていた「良い音楽を作り、多くの人に聴いてもらいたい」というのは、彼にとって他のメンバーにとってもかなり難しいことだった。
なぜなら良い音楽、素敵な音楽が、必ずしも売れるとは限らないからだ。
彼らは大手レコードプロダクションの中にいながら、変わりゆく流行にも、変わらなければいけない自分達にも、そして東京で生きていかなきゃいけないという概念にも、疑問を投げかける日々が続く。
奇しくも時代は一回りし、またロックバンドブームに差し掛かっている最中のことだった。

“TRIPLANE”は、当人達が公式で発表している通り、大手から独立したからといって妙な波風を受けているわけではない。

「バンドにとって最良の道の選択を」
「辞めても変わらずに全力で応援する」

13年間苦楽を共にした“avex”は、”TRIPLANE”の時代の到来を今でも信じてくれている。

独立後もバンドは、ライブ活動、リリースを続け、もちろん東京へも何度もやって来ている。
2017年末にはフルアルバム『1/4802のすべて』を発売した。
そして2018年、結成15周年メモリアルライブを企画し、そのうちの一つは10月13日、”渋谷クラブクアトロ”で行われることが決まっている。

東京の人は“TRIPLANE”の4人と会ったら、こう伝えてほしい。
北海道もいいところですね、と。

関連サイト

■TRIPLANE オフィシャルウェブサイト
http://www.triplane.jp/


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